高齢者や在宅医療向けの訪問歯科診療サービス
2026/03/21
「食べる喜び」を、いつまでも。―すみ歯科医院が考える訪問歯科のこと―
河口湖のほとりで診療を続けていると、「先生、母がもう歯医者に来られなくて…」という相談を、年に何度も受けます。
富士山の麓というこの地域の性質上、坂道の多い地形や冬の積雪もあって、通院をあきらめてしまう高齢の方が少なくありません。すみ歯科医院では、そうした方々のために訪問歯科診療に力を入れています。今回は、訪問歯科について知っておいてほしいことを、率直にお伝えします。
訪問歯科って、何をしてくれるの?
一言でいえば**「歯科医院の診療室を、患者さんのいる場所に持ち込む」ことです。ポータブルの専用機材を車に積んで、ご自宅や施設に伺います。虫歯の治療も、歯周病のケアも、入れ歯の調整も、基本的には院内と変わらない内容で対応できます。(※治療内容によっては、訪問で対応できない処置があります)
特に高齢の患者さんにとって深刻なのが、入れ歯の不具合です。「痛くて使えない」「合わなくなった」まま放置されると、食事の量が減り、低栄養へとつながっていきます。これは決して軽視できない問題です。
もう一つ、近年特に力を入れているのが摂食嚥下リハビリテーション**です。「むせやすくなった」「飲み込みにくい」という症状は、加齢にともなう飲み込む力の低下が原因であることが多く、適切なトレーニングや姿勢の指導でかなり改善が見込めます。
2. 「お口の清潔」が命を守る
少し驚かれるかもしれませんが、歯科衛生士による定期的な口腔ケアは、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の予防という観点から、医療的にとても重要な意味を持っています。
誤嚥性肺炎とは、口の中の細菌が唾液と一緒に肺へ流れ込むことで起こる肺炎で、日本の高齢者の死因の上位を占めています。口の中を清潔に保ち、飲み込む筋肉を鍛えることが、直接的な予防につながるのです。
QOLへの影響: しっかり噛めることは脳への刺激にもなり、認知症の進行を抑制する効果があるとも言われています。歯やお口の状態は、全身の健康に想像以上に深く関わっているのです。
3. ご家族の「大変さ」も、少し楽になります
通院に付き添うご家族の苦労は、実際やってみると相当なものです。車への乗り降り、待合室での待機、帰宅後のケア…。体力的にも精神的にも、大きな負担になっているご家族を何人も見てきました。
訪問歯科であれば、住み慣れた環境でリラックスしたまま診てもらえます。患者さん本人の不安も軽減されますし、ご家族の負担もずいぶん変わります。
費用と対象エリアについて
費用については、医療保険・介護保険の両方が適用されます。後期高齢者であれば治療費の自己負担は1〜3割程度で、介護保険では歯科衛生士の居宅療養管理指導に適用されるものもあります。
対象は、通院が困難な方(寝たきり・認知症・身体に障がいのある方など)で、歯科医院から半径16km以内にお住まいの方が基本的な条件となります。河口湖周辺のエリアであれば、ほとんどの地域をカバーしています。
4. こんなサインが出ていたら、一度ご相談を
「まだ様子を見よう」と思っているうちに、状態が進んでしまうことが多いのがお口のトラブルです。以下のようなことが気になりはじめたら、早めにご相談ください。
- 食事中にむせることが増えた
- 入れ歯を外したままにしている、または「痛い」と訴えている
- 口の中がネバつく、口臭が気になる
- 食べこぼしが目立つようになった
- 歯ぐきから血が出ている
こうしたサインは、適切なケアで改善できることが少なくありません。「年だから仕方ない」と決めつけないでいただきたいのです。
まとめ
「食べること」は、ただ栄養を取るだけではありません。好きなものを美味しいと感じること、家族と同じ食卓を囲むこと、それ自体が生きていく喜びになっています。
すみ歯科医院の訪問歯科は、お口の治療をすることで、患者さんの笑顔と、その方らしい生活を一緒に守っていきたいと考えています。河口湖周辺にお住まいで、歯医者への通院が難しくなってきた方は、どうぞ気軽にお電話いただければと思います。
すみ歯科医院


